排水溝からコポコポ音がするのはなぜ?対処法を解説
キッチンやお風呂場などの排水溝から「コポコポ…」「ボコボコ…」と音が鳴り、不安を感じる方も多いでしょう。このような音は、排水管や通気口にたまった空気や汚れが原因となっていることがほとんどです。
中には自然な現象で心配いらないケースもありますが、放置すると悪臭や水漏れ、逆流といったトラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。当記事では、排水溝からコポコポ音が鳴る主な原因と自分でできる対処法、さらに専門業者へ相談すべきケースについて、分かりやすく解説します。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 排水溝からの異音が気になる方
- 排水溝のつまりが気になる方
- 排水溝をきれいに保ちたい方
目次
排水溝からコポコポを音が鳴るのはなぜ?

キッチンやお風呂場の排水溝から「コポコポ…」「ボコボコ…」と音がすると、「詰まっているのでは?」と不安になることもあるでしょう。排水溝の「コポコポ」という音にはさまざまな原因がありますが、放置してよいものと、早急に対処が必要なものを見極めることが大切です。
ここでは、排水溝から音が鳴る主な4つの原因を詳しく見ていきましょう。
水を一気に流した
洗い桶や鍋にたまった水を一気に流すと、「コポコポ」と音が鳴ることがあります。これは排水管に大量の水が一度に流れ込み、排水トラップ内の水(封水)が引っ張られることで空気が押し出される現象です。
排水管は500mlペットボトルより細いことが多く、大量の水が一気に通ると空気の逃げ場がなくなります。このときに空気が逆流して音が鳴っているだけなので、水を一気に流した時に音がする場合は異常とは限りません。むしろ、排水がスムーズに行われている証拠です。
マンションの他の部屋で水を流している
集合住宅では、他の部屋で水を流した際に自分の部屋の排水溝からコポコポ音が鳴ることがあります。これは建物全体の排水管がつながっており、他の部屋の排水によって空気圧が変化するためです。
通常の設計であれば空気の逃げ道が確保されているため起こりにくいのですが、設計不良や通気不良、あるいは配管のどこかで詰まりがあると音が出やすくなります。この場合は個人での対処が難しいため、大家さんや管理会社に相談しましょう。放置すると臭いが上がってくることもあるため、早めの対応をおすすめします。
配水管が詰まっている
排水溝から音がするときの原因として最も多いのが「排水管の詰まり」です。
油汚れや食べカス、髪の毛、石けんカスなどが少しずつ蓄積すると、排水の流れが悪くなり、水がスムーズに流れなくなります。このとき空気の通り道が狭くなるため、空気が排水口から逆流し「コポコポ」と音がします。放置すると悪臭の原因になり、最悪の場合、汚水の逆流や排水口からの臭い漏れが起こることもあります。
特にマンションでは配管が複雑に入り組んでいるため、他の部屋にも影響が出る前に早めの対処を行いましょう。
通気口が詰まっている
排水管には「通気口(ベント管)」と呼ばれる空気の通り道があります。通気口が詰まると空気の流れが悪くなり、水がスムーズに排出されず「ボコボコ音」や「下水臭」の原因になります。
特に、屋外の通気管にゴミや虫の死骸が詰まっていたり、雪やほこりで塞がれているケースもあります。このようなときは、通気管を清掃するか、「通気弁(エアアドミタンスバルブ)」という部品を設置することで改善可能です。ただし、通気系統の作業は専門知識が必要なため、自分で無理に触らず業者への依頼を検討しましょう。
排水溝のコポコポ音への対処法
排水溝から「コポコポ」と音が鳴る原因が排水管内部の汚れやつまりによるものの場合、まずは自分でできる簡単な掃除や洗浄を試してみることが大切です。お湯を流すだけでも改善するケースもあれば、パイプクリーナーや重曹・クエン酸を使って汚れを化学的に分解する方法もあります。
ここでは、それぞれの対処法を詳しく紹介します。
お湯を流してみる
最も簡単で手軽な対処法が「お湯を流す方法」です。40〜50℃のお湯を使って汚れを柔らかくし、一気に流してみましょう。
まず、排水トラップを外して周囲を軽く掃除し、雑巾やタオルで排水溝を一時的に塞ぎます。その状態でシンクにぬるめのお湯をため、準備ができたらタオルを外して一気にお湯を流します。するとお湯の温度と水圧の力で、排水管の内側にこびりついた油汚れを効果的に押し流せます。
熱湯を使うと配管が変形する恐れがあるため、必ず50℃以下のお湯にしましょう。この方法はつまりを防ぐ日常のメンテナンスとしてもおすすめで、週に一度程度行うだけでもコポコポ音や悪臭の予防につながります。
パイプクリーナーを使う
お湯を流しても改善が見られない場合は、市販のパイプクリーナーを使うのが効果的です。パイプクリーナーは、髪の毛や皮脂、石けんカス、食べ物のカスなどのたんぱく質汚れを化学反応で分解し、排水管内の汚れを溶かして流してくれます。薬剤を使用する際は換気を行い、ゴム手袋を着用して安全に作業を進めましょう。
排水口のトラップを外して周囲をきれいにしたら、製品の説明書に従って適量のクリーナーを注ぎます。およそ30〜45分ほど放置して薬剤が汚れを分解するのを待ち、その後大量の水を流して残留物を洗い流します。
この方法は即効性が高く、ひどいつまりにも効果的ですが、薬剤を過剰に使うと配管を傷めたり、残った薬品が再び詰まりの原因になることがあります。説明書をよく読み、指示通りに使用することを心がけましょう。
重曹とクエン酸を使う
重曹とクエン酸を組み合わせたナチュラルな洗浄法も、排水溝のコポコポ音に効果があります。重曹とクエン酸を混ぜると発泡反応が起き、排水管の内側にこびりついた汚れを浮かせて剥がすことができます。化学薬品を使いたくない方や、小さなお子さん・ペットがいる家庭にも安心な方法です。
まず、排水溝にたっぷりの重曹をふりかけ、その上からクエン酸(またはお酢)を加えます。重曹とクエン酸はおおよそ2対1の割合が目安です。反応して泡が発生したら、そのまま30分ほど放置します。泡が消えたら40〜50℃のお湯を流し入れ、溶けた汚れを押し流せば完了です。
特にお風呂や洗面所など、皮脂や石けんカスがたまりやすい場所にも向いている方法で、定期的に行えばぬめりや臭いの発生を防ぎ、排水音の予防にもつながります。
ラバーカップを使う
トイレ詰まりの定番アイテムであるラバーカップ(スッポン)は、キッチンやお風呂の排水溝にも使えます。使い方は非常にシンプルで、まず排水溝に少し水をため、ラバーカップのゴム部分がしっかりと水に浸かるようにします。カップを排水口に密着させ、ゆっくり押し込んだあと勢いよく引き上げます。この動作を何度か繰り返すと、詰まっていた汚れが動き、水の流れがスムーズになります。
バーカップはホームセンターや100円ショップでも簡単に手に入るため、一家に1つ備えておくと安心です。使う際は水が飛び散らないように注意し、力を入れすぎないように行うのがポイントです。物理的な力で詰まりを取り除けるため、薬剤では解消できないコポコポ音の原因にも効果があります。
排水溝のコポコポ音が直らないときは専門業者に相談を!

排水溝のコポコポ音は、排水管の中に空気や汚れがたまっているサインであり、放置するとつまりや水漏れなどのトラブルに発展する恐れがあります。お湯を流したり、パイプクリーナーを使ったりしても改善しない場合は、配管の奥深くでつまりが発生している可能性があります。そのような場合は、無理に自力で解消しようとせず、早めに専門業者へ相談しましょう。
プロの業者であれば、専用のカメラや高圧洗浄機を使って原因を正確に突き止め、安全かつ確実に解消してくれます。放置せず、症状がひどくなる前に対処することが、快適な住環境を守る第一歩です。
まとめ
排水溝からコポコポ音が鳴るのは、排水管内の空気や汚れが関係している場合が多く、放置すると悪臭やつまり、水漏れなどの深刻なトラブルを引き起こすこともあります。
軽度の汚れであれば、お湯を流す、パイプクリーナーを使う、重曹とクエン酸で発泡洗浄を行うといった方法で改善できるケースも少なくありません。しかし、音が長引いたり、臭いが発生したりする場合は、配管の奥でつまりが進行している可能性があります。
異音が続く場合は、早めに専門業者へ相談することが、快適な住環境を守るためのポイントです。小さなサインを見逃さず、定期的なメンテナンスを心がけましょう。