バリウムが流れないのはなぜ?理由や対処法・掃除の注意点も解説
健康診断や人間ドックで行われる胃X線検査のあと、「トイレに流したはずのバリウムが残っている」「何度流しても白い塊が取れない」と困った経験はありませんか。バリウムは検査に欠かせない造影剤ですが、水に溶けにくく固まりやすい性質を持っているため、排出後にトイレで詰まりやすいという特徴があります。誤った対処をすると、便器の破損や排水管の詰まりといった二次トラブルにつながることも少なくありません。
この記事では、バリウムがトイレで流れにくくなる原因をわかりやすく解説し、家庭でできる安全な対処方法や注意点を紹介します。
【この記事はこんな方におすすめです】
- バリウム検査の後、トイレが汚れてしまった方
- 今後バリウム検査を控えている方
- バリウムが流れなくなったトイレをきれいにしたい方
目次
バリウムが流れないのはなぜ?

バリウムとは、人間ドックや健康診断の胃X線検査で使用される白い造影剤です。X線を吸収する性質があり、胃の内部を鮮明に映し出すために使われます。体内では吸収されず、検査後は便として排出されますが、通常の便とは異なり次のような性質を持っているため、トイレで流れにくくなることがあります。
■固まりやすい
検査時のバリウムは液体ですが、体内では水分が吸収され、時間の経過とともに徐々に固まっていきます。排出までに時間がかかるほど硬くなり、トイレでは石のような状態になることもあります。この固形化したバリウム便が便器や排水管に引っかかり、流れにくさの原因となります。
■粘着性が高い
バリウムには胃の粘膜に密着させるための増粘剤が含まれており、排出後も高い粘着性を持っています。そのため、便器の内側や排水管の壁にこびりつきやすく、節水型トイレでは水の勢いが弱く、洗い流しきれないケースも少なくありません。
■水に溶けないまま沈む
バリウムは水に溶けず、さらに水よりも重い性質を持っています。そのため、水中では浮かずに便器の底へ沈殿します。沈んだバリウムは水流だけでは動きにくく、時間が経つほど固着してしまいます。
バリウム詰まりを予防する方法
バリウムによるトイレ詰まりを防ぐためには、事前の対策が重要です。まず、排便前にトイレットペーパーを多めに敷いておくことで、バリウムが直接便器に付着するのを防ぎやすくなります。
また、検査後は病院から処方される下剤を正しく服用し、水分を十分に摂取することが大切です。水分量が不足するとバリウムが固まりやすくなるため、こまめな水分補給を心がけましょう。早めに排出し、付着や固着を防ぐことが、詰まり予防につながります。
バリウムが流れないときの対処方法
バリウム便がトイレに付着して流れない場合、無理に何度も水を流すのは逆効果になることがあります。状況に応じて、ブラシやぬるま湯、割りばしなどを使い、少しずつ取り除きましょう。
ここでは、家庭でできる代表的な対処方法を紹介します。
トイレブラシを使う
少量のバリウムが便器に付着している場合は、トイレブラシを使って対処しましょう。ブラシでこすりながら水を流し、バリウムが浮き上がったタイミングで素早く流すのがコツです。境目をはがすように軽い力でこすると、便器を傷つけにくくなります。
ただし、付着量が多い場合に無理にブラシで落とそうとすると、排水管で詰まる原因になるため注意が必要です。バリウムが硬いときは、事前に40~50℃程度のぬるま湯で緩めてから作業すると、除去しやすくなります。使用後のブラシにバリウムが残る場合は、廃棄も検討しましょう。
ぬるま湯で流す
できるだけ手を使わずに対処したい場合は、ぬるま湯を使う方法がおすすめです。バリウムは水には溶けませんが、40~50℃程度のお湯で柔らかくすることができます。バケツなどにぬるま湯を用意し、付着部分に静かに注ぎ、ふたを閉めて10分ほど放置しましょう。
水が白く濁ってきたら、バリウムが緩んできているサインです。この作業を数回繰り返し、付着が少なくなったらトイレブラシで仕上げます。
割りばしを使う
バリウム便が石のように固まっている場合は、割りばしを使った物理的な除去が効果的です。ゴム手袋を着用し、割りばしで少しずつこそげ取るようにして、バリウムを便器からはがします。取り除いたバリウムは、トイレットペーパーと一緒にビニール袋へ入れ、流さずに廃棄するのが安全です。
そのまま流すと、排水管の途中で再度固着する恐れがあります。作業後に細かい汚れが残った場合は、トイレブラシで軽く掃除し、水を流しましょう。
バリウムを流したいときの注意点

バリウムがトイレに残った場合、誤った対処をすると便器の破損や本格的な詰まりにつながる恐れがあります。流れないからといって強引に水を流したり、自己判断で危険な方法を試すのは避けましょう。
ここでは、バリウムを安全に除去するために押さえておきたい注意点を解説します。
放置しない
バリウムが便器内に残っている場合、「そのうち流れるだろう」と放置するのは非常に危険です。バリウムは時間が経つほど水分が失われ、石のように硬化していきます。放置すると便器や排水管に固着し、通常の水流では除去できなくなる可能性があります。
特に便器の奥や排水トラップ付近で詰まりかけている場合、トイレットペーパーなどが絡まり、完全なトイレ詰まりに発展することも少なくありません。バリウムが残っているのに水が白く濁る場合は、目に見えない場所に付着している可能性もあります。異変に気づいた時点で、早めに対処することが大切です。
熱湯を使わない
バリウムを早く落としたいからといって、熱湯を便器に流すのは絶対に避けましょう。陶器製の便器は急激な温度変化に弱く、熱湯をかけることでヒビ割れや破損を引き起こす恐れがあります。便器が割れてしまうと、トイレ全体の交換が必要になり、高額な修理費用がかかるケースもあります。
また、排水管も熱に弱く、変形や劣化の原因になります。お湯を使う場合は、40~50℃程度のぬるま湯にとどめましょう。この温度でもバリウムは十分やわらかくなります。
便器が傷つかないようにする
バリウムを取り除く際は、便器を傷つけないよう細心の注意が必要です。割りばしやブラシを使う場合でも、強く擦りすぎると便器表面に細かい傷がついてしまいます。傷ができると汚れや雑菌がたまりやすくなり、結果的にトイレが汚れやすくなる原因になります。
金属製のヘラや硬いたわしなどは使用せず、トイレ用ブラシや割りばしなど、便器にやさしい道具を選びましょう。無理に力を入れず、ぬるま湯で緩めながら丁寧に作業することで、便器を守りつつ安全にバリウムを除去できます。
まとめ
バリウムがトイレで流れにくくなるのは、水に溶けず、時間の経過とともに固まりやすいという特性があるためです。検査後に排出されたバリウムは、便器や排水管に付着しやすく、放置すると石のように硬化してしまうこともあります。
ただし、流れないからといって何度も水を流したり、熱湯を使用したりすると、便器の破損や排水管の詰まりといった深刻なトラブルにつながる恐れがあるため注意が必要です。付着量が少ない場合はトイレブラシでやさしくこすり、硬くなっている場合は40~50℃程度のぬるま湯で緩めながら除去するなど、状況に応じた対処を行いましょう。
また、検査後は処方された下剤を正しく服用し、十分な水分を摂ることで、バリウムを早めに排出しやすくなり、トイレ詰まりの予防につながります。自力での対処が難しい場合や異変が続く場合は、無理をせず専門業者に相談することも大切です。